沖縄の世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」を制覇する…、という野望は特に持っていなかったけれど、指定されているグスク(城)のうち、唯一訪れていなかった「勝連城跡」に、今回の旅でふらっと寄ってきた。
ちなみに「琉球王国のグスク及び関連遺産群」に指定されているのは、「首里城」「中城城跡」「座喜味城跡」「勝連城跡」「今帰仁城跡」の5つのグスクと、「園比屋武御嶽石門」「玉陵」「識名園」「斎場御嶽」の4つの遺物。これでグスクはコンプリート。でも遺物はまだ「園比屋武御嶽石門」しか行ってない。というか、通りがかっただけ(笑) ま、おいおい機会をみて訪問しましょうか。旅は積み残しがある方が、次の計画が立てられて嬉しい。
この「勝連城跡」、最初の印象は城壁がとても美しい曲面を描いているということ。沖縄のグスクはどれも曲面の城壁を持っているけれど、ツンと尖った、高い鼻を思わせるような、そして少し偉そうな面構え。もともとの小山を利用して建てられているのもだいたいのグスクと同じだけれど、特に小高い断崖に囲まれた、天然の城塞のような雰囲気が特徴的だった。急な階段を上まで登ると妙な達成感にとらわれ、なるほど眼下に見下ろす地域を制した気になるとはこういうことか、という気分も味わえる。
しかし、どこか自分には馴染まない。グスク跡に馴染むも馴染まないもないかもしれないけれど、ずっとここに立っていたいとか、すごく迎え入れられている、歓迎されているという気分になることがある。こればっかりは行ってみないと感じられない。また時間帯によっても違うし、天候によっても印象が変わってくることもある。
ちなみに一番馴染めないのが「今帰仁城跡」。最も大きなグスクだけれど、そのぶん落ち着かない、自分には身分不相応な感じ。「首里城」も人が多すぎて落ち着かない。落ち着くのは「中城城跡」と「座喜味城跡」。どっちが好きかと言われるとなかなか決められないくらい。なので、また沖縄に行って決めることにしよう!(笑)
現地で説明を読んで知ったのだけれど、15世紀、「中城城」を見下ろすように築城された「勝連城」の城主は阿麻和利(あまわり)。「座喜味城」を築城し後に「中城城」に移った護佐丸(ごさまる)と敵対関係にあり、阿麻和利は護佐丸を攻め、自害に追い込んだという。だから僕はこの城跡を気に入らなかったのかな? 好きなグスクの主を攻めてきた人が築城したグスク。居心地が良くなかったのはそのせいか、後付けの思い込みか、さて?