急須と招き猫を求めて常滑へ。

ちょうど明日(2019/11/27)の夜、NHKのBSプレミアムで愛知発地域ドラマ「黄色い煉瓦」が放送されるみたいなので、ドラマの舞台になっている愛知県常滑市を訪れた時の記録を少し。

常滑(とこなめ)は日本遺産に指定されている六古窯(ろっこよう)のひとつ。

六古窯とは、日本古来の陶器・磁器の産地で、中世から現在まで生産を続けている窯のこと。越前、瀬戸、常滑、信楽、丹波、備前の6つを指すもので、朝ドラの「スカーレット」は信楽が舞台です。

これらの産地に共通するのは、古くから陶磁器を生産し、主に昔の日用品であった釜とか壺といった大型の陶磁器の産地だということ。現在の繊細でかわいい陶磁器のイメージから少し遠いものです。「スカーレット」では火鉢を作っていますね。

常滑は古くから大型の壺や甕(かめ)を作っていて、明治時代には土管の一大産地だったそうです。海に近いところで焼物に適した土があり、船で運びやすかったことも大型の陶器生産が盛んになった理由です。

今では大型の陶器の需要がなくなりましたが、常滑は急須や招き猫の生産では日本一。あのでかいタヌキの置物もたくさんいました。

常滑駅からやきもの散歩道をたどると、すぐにこの「とこにゃん」が出迎えてくれます。

とこにゃん(愛知県常滑市)2019/8/11

いや、でかい。というか、なぜここに!?(笑)

駅から続くやきもの散歩道に沿って坂道を登っていくと、所々にかつて一大産地であった名残がたくさんあります。

登窯やトップ画像の土管坂。これでもかとあちこちに土管が埋め込まれていました。坂道が多くて暑い夏にはちょっと辛かったけれど、いい散歩道です。

そして焼物に興味がなくても、ぜひ訪れて欲しいのが「常滑陶芸研究所」。

常滑陶芸研究所(愛知県常滑市)2019/08/11

この外観、すごくカッコいい。ウルトラマンに出てきそうな研究所。建築に興味がある人もよく来館されるらしいです。「常滑陶芸研究所」の名を示した看板のフォントも素晴らしい。もちろん展示も興味深いものばかりでした。

常滑を訪れたのはお盆の夏真っ盛り。残念ながらお盆休みの店も多くて、自分が求める招き猫には会えず。

急須も値段が張るものが多くて…、と諦めかけていたところ、ふと入ったセレクトショップ「morrina」で出会ったこの急須。普段使いで手馴染みもよく、上品だけれども毎日使って感がありあり。

急須(玉龍陶園・梅原二郎作)

値段もお手頃(産地価格だそうな)。これまでポットと茶こし網でお茶を入れていたけど、これで本来のお茶の飲み方ができる!と喜んで買ってきました。

きちんと急須でお茶を入れると、安い茶葉でも美味しいですよ!