さよならテレビ

先日観た映画の話。

テレビ関係の仕事をすることもあるので、さよならテレビとは言いたくないのだけれど、やっぱりある側面から見た時、さよならテレビの時代なのだなと思う。

この映画は、ドキュメンタリー制作で割と名前が知られている東海テレビの、開局60周年記念番組「さよならテレビ」に新たなシーンを加えて映画化されたもの。当然、東海テレビは関東では観られないので、観るには映画館に行くしかない。

この映画を知ったのは、前回ユーロスペースで別の映画を観た時の予告。それは刺激的で、テレビ自身がさよならテレビと言う、しかも東海テレビ制作で、これは観なければと思ったのです。

そして実際に映画を観終わっての感想は、「やっぱりテレビ」。

予告以上の驚きはなく、撮影できるところだけを撮影し、言葉を投げかけられる人にしか問題を問いかけていない。今のテレビが抱える問題に踏み込んでいるわけでもなく、ただカメラを回して撮れた映像をつないでいるだけ。

ああ、残念だ。

なんて考えながらの帰り道、ふと思ったこと。

もしかしたらこの映画は、これがテレビ局が作るドキュメンタリーの限界ですよと、今テレビで行われている報道はこんなもんですよと、この程度の踏み込み方しかできないし、表現方法もこの程度ですよと、だからテレビよ、さよならだね、というメッセージを伝えているのかもしれない。

だとしたらすごいね。

解釈は観客に投げっぱなしだけど、映画ってそういうものだったなと。

真相やいかに?