旅に出て「どこ行こう」「何しよう」と考えるとき、普通はネットでその地のオススメポイントとか調べるだろうし、そういう記事もたくさん書いたことはあります。でも自分で行き先を決めるのに一番利用するのは地図。そう、Google Map。
沖縄ではレンタカーを借りて走り回ることがほとんどなので、地図をもとに移動時間とか考えながら旅程を決めるのは合理的。そして何より、観光情報を調べているだけでは気がつかない隠れた名所に、たまにたどり着くことがあるのが魅力なのです。
今回それを見つけたのは、有名な海中道路を渡った先の宮城島。地図を見ると「ぬちまーす観光製塩ファクトリー」と書いてあった。「ぬちまーす」は沖縄名産でよく売っているあの塩、その工場? でも「観光製塩ファクトリー」だから、何か見るものはあるのだろう、と車を走らせる。
海沿いからサトウキビ畑の中に続く道を、何カ所か道端に出ている「ぬちまーす」の看板に従って進む。やがてその道は対向車を避けるのも難しいくらいの畑の中の細い道になるけれど、目的地に近づくと一気に視界が開けて、工場のような、観光施設のような建物に行き着く。
もっと大きな建物をイメージしていたけれど意外と小さく、ちょっと残念な地方の土産物ショップにしか見えない。工場見学無料とは書いてあるけれども…。「失敗したか?」「ま、少し休憩しよう、雨も降りそうだし」と駐車場に入ってドアを開ける。塩の匂い。ま、海沿いだから。喫煙所はこっちか、あれ何だ?この看板は。
ぬちうなーご案内の看板。工場、ショップ・レストラン、駐車場…、製塩ファクトリーだからね。でも「ぬちうなー」って何? そして案内にあるどれも徒歩1分とか3分とかの「龍神風道」「果報バンタ」「三天御座」のパワースポットって!? 晴れてきて陽射しが届いてきたし行くだけ行ってみよう、と駐車場の脇から小高い丘に登る。「三天御座」と書かれた御嶽のような鍾乳洞がある。そして坂を登りきると展望台に。
視界が開けると「ほーっ!」と思わず息を飲む。そこから見下ろす絶景がトップ画像の「果報バンタ」。青からセルリアンブルーへのコントラストはまさに絶景。人が入れないこの浜には、ウミガメが産卵しに来るそう。丘を登る途中にはガジュマルとソテツが茂る間から、沖縄本島を形作っている琉球石灰岩がそそり立っている。ここは小さいながらも沖縄の魅力がいっぱい詰まっていました。
ちなみに肝心の塩工場では、世界初の「常温瞬間空中結晶製塩法」、塩のミネラル成分がすべて結晶化するという方法で塩を作っているそう。ミネラル含有世界一のギネス認定も受けているとか。画像のように、部屋いっぱいの塩、まるで雪景色。こういうやり方で作っているとは思わなかった。面白い。手作業での検品は大変そうだったけど、それがあって、品質が維持されているのだな。
売店で「ぬちまーす」の塩を購入。他にもいろんな商品があったけれど、まだ旅は始まったばかりだったので自重。ところが、ですよ…。このブログを書き始めて気づいたけれど、どこ行った? 買った塩。え? おみやげはもう配り終えたし、自分用の保存食は片付けた。でもこの「ぬちまーす」を見た覚えがない。
忘れてきた? 忘れ物をする質ではないのだけれど。レンタカーのどこかに入れたままだったかな、長旅ではレンタカーが部屋代わりにもなって、モノが散乱するのは常。帰宅してスーツケースから出した気もするけれど。ないものはない。あー、残念!