伊江島の象徴、城山(タッチュー)を制覇し、後は自転車で下り坂を気持ち良く走っていく。
旅先で自転車に乗るたびに思うけれど、しんどい思いをして坂道を登るのは、降りる時の快感を味わうためじゃないかと。
どこだったか岬の先端の灯台まで半分は歩いて1時間くらい登って、下るのはほんの10分ということがあった。
爽快感が半端なかったなー。海に向かって走り降りていく感じ。岬の先の灯台には何もなくて残念スポットだったけど、そんなこと忘れるくらい。
ただ、自転車の整備だけはしっかりと。下り坂でブレーキ壊れたら大怪我だからね。
話を伊江島に戻して。
伊江島に行きたいと思ったのは、あの島の形状ももちろんだけれど、島の成り立ちそのものがすごく独特だと知ったこともある。
沖縄のほとんどの島はサンゴ礁が隆起してできたもので、サンゴの死骸が積もって岩になった琉球石灰岩が多くを占めている。だからほとんど平坦な地形。
伊江島のように、真ん中にポツンと山があるのは他にない。
実は城山は、島の本体とは違うところから来たものらしい!
オフスクレープ現象といって、大陸プレートが移動する時に地層が剥がれて分離し、それが島の本体を突き破って浮上したもの。
だから大陸プレートが隆起してできた本島の山のように、城山の上の方には細かい地層が路頭しているのだと。
例えて言うなら、スポンジケーキの下から、ミルフィーユケーキのかけらが飛び出したようなもの?
このオフスクレープ現象でできた山は、世界でも例がないくらい珍しい現象。伊江島でしか見ることができないものらしいです。
そして伊江島には、まだ戦争の悲惨さを語る建物が現存している。沖縄戦で伊江島の日本軍は全滅。住民を含めて約3,500人の犠牲者が出た。
当時の村の建物はことごとく焼き払われたといい、原型をとどめているのはこの公益質屋跡だけだという。沖縄でもほとんど戦争の傷跡が残る建物はないので、貴重な戦時遺構だと思う。
また戦後には米軍施設での弾薬輸送船爆発の大事故で100人以上の犠牲者が出たと。そして今でも島の北西部のほとんど、島全体の面積の約35%が米軍基地。危険な訓練も繰り返されているという。
今回は時間がなくてほとんど回れなかったけれど、まだまだ知っておかないと、見て考えておかないといけないことはたくさんある。
と、伊江島への旅のblogがずいぶん長く続いてしまった。最後には楽しい話題で締めましょう。
いま島で一番の有名人は、シンガーソングライターのAnly。
両国国技館でここ数年開催されているトーキョー・ギター・ジャンボリーに出ていて、その放送で初めてAnlyの弾き語りを聴いて、ああ、カッコいいなと。それからCDチェックしたら少し違って残念だったけれど、ライブはいい! 弾き語りがいい。
彼女はいつか、伊江島でフェスを開催するという野望を持っているらしい。
実現したら必ず行きたい。
いやそれがなくても、この旅の前半で知り合った伊江島の島らっきょう農家にも会いにいかなくては! 名産の島らっきょうがすごいらしい。
民俗資料館も空港跡にも行かないと!
要は、また、今度は時間をかけて、伊江島を巡ってみたい。
バイクか車で。