本当は2020年1月1日、日付が変わって夜が明けないうちに近所の神社に初詣に行くつもりだった。しかし大晦日未明のアクシデントで顔面を負傷して、腫れがあったため数日間は外出を自粛。元住吉の住吉神社に詣でたのは4日で、境内はすっかり通常の雰囲気に戻ってしまっていた。
その余波で、年明けなるべく早く参詣してグッズも買ってこようと考えていたのに、多摩川浅間神社に行ったのは5日。こちらもほぼ通常の雰囲気に。人が少なくて行列を待つ煩わしさはなかったけれど、お目当てグッズは当然売り切れ。
そのグッズとは、シン・ゴジラ絵馬とお守りセット、そして手ぬぐい! 多摩川浅間神社は、ゴジラファンなら知っていて当然、タバ作戦の舞台なのだ。ロケ地巡りで人気にもなったとか。しかし5日までグッズが残っているはずはなく、売り切れ情報も得ていたけれど、グッズがないから行かないというのもなんか罰当たりな気がしたので、腫れた上唇をマスクで隠して出かけた。
多摩川浅間神社は、東急東横線多摩川駅から多摩川の方向に歩いてすぐ。玉堤通りに出る手前に神社入口(正参道)がある。階段の手前には大祓詞石車。ぐるりと回して身を清め階段を登る。鳥居は2つ。神社の規模自体はそんなに大きくない。でも美しい浅間づくりの拝殿。(少ないとはいえ参詣者はひっきりなしなので、画像はなし)
この神社の見所は、何といっても見晴台からの景色。実は見晴台とは社務所の屋上なのだけれど、多摩川の東京側の高台から川崎側を望むと、多摩川の流れを眼下に、天気の良い日には富士山まで一望できる。あいにくこの日は雲が多かったけれど、それでも良い眺めにしばし目を楽しませる。
タバ作戦では神社に指揮所が設置され、ピエール瀧が部隊を指揮していたよね。結局ゴジラを止めることはできなかったけれど、多摩川浅間神社が破壊されることはなく、二子橋をぶっ飛ばしただけで通り過ぎて行った。
神社は高台にあるため、少し避けて平らな所を歩いて行っただけじゃない? と友人は言っていたけれど、ゴジラに壊されなかったことから、聖地巡りと同時に、災害を避けられる、逃れられるご利益があるのではと、神社に詣でる人が増えたとか。
拝殿を守る狛犬も精悍な姿が格好良い。睨みを利かせて、ゴジラがやってくるのを阻止しようとしている風。
そもそもこの多摩川浅間神社の祭神は木花咲耶姫命で、いろいろあって炎の中で出産したと伝えられ、家庭円満、安産、子宝などの神。境内には子産石なんかもあり、もともとは家族連れで参詣する人が多かった場所。でもまあ、信ずる者はなんとかで、賑わえばいいのではないか、と思う。
ところで狛犬の石工は、神地石工/松原延太郎、大正三年十月と銘があった。神地地区というのは、多摩川を越えた川崎市中原区にある古い土地の呼び名で、以前僕が住んでいた所なのだ。確かに中原街道沿いには石材屋さんがある。古くから石工を排出していたのだろうか。
多摩川を越えるとはいえ、少なからず多摩川浅間神社とは縁を感じる。前に住んでいた家から今住んでいる家までは、暗渠でつながっているし。古きを知ると、いろいろ面白い。
ちなみにグッズは2月ごろに再販の噂。節分あたりにまた訪れてみよう。