オンラインでの取材は、オンライン会議のツールを利用して行うことがほとんどです。かつては企業側が独自に構築したビデオ会議システムに参加することもありましたが、端末がある事業所まで足を運ばなければいけないこともあり、今は現実的ではありません。オンライン会議のツールを確認してみましょう。
・さまざまなサービスで提供される会議システム
オンライン会議とは、各種ツールを利用しインターネットを介して行う会議で、Web会議とも呼ばれます。その形態にはクラウド型とオンプレミス型があり、オンライン取材はほとんどがクラウド型のツールを用いて行われます。オンプレミス型とは企業が自社でサーバを構築する会議システムで、外部のゲストは基本的に入れないものです。
クラウド型とは、インターネット上にある会議システムのツールを利用します。ツールのサービス内容によって有料のもの、無料で利用できるもの、また登録が必要なもの、不要なものなど、さまざまな形態があります。
オンライン取材を行うためすべてのサービスを理解しておく必要はありませんが、代表的なサービスについては、アカウントを前もって登録して整理を済ませ、利用方法も理解しておくことが大事です。
・代表的なオンライン会議ツールは?
オンライン会議でよく利用される代表的なツールは、Skype、Zoom、Google Meetです。
Skypeは音声通話やチャットで使用した経験がある人も多いと思います。現在はMicrosoftのツールとなっていて、最大50人でのビデオ通話が可能です。無料でツールをダウンロードできますが、招待された人はツールを持っていなくても参加できます。
オンライン会議を始める直前にSkypeの登録しておけば万全ですが、Microsoftに統合される前にアカウントを取得していた場合、改めて利用するためにはMicrosoftアカウントとの紐付けが必要だったりするので、アカウントやパスワードを覚えていない人は準備に時間がかかるので注意が必要です。
Zoomは現在最も気軽に使えるオンライン会議ツールです。無料プランでも100人の参加者までの会議のホストとなることが可能で、会議の数に制限はありません。但し、無料の場合は40分の時間制限がありますので、自身がホストとなってインタビューを行う際には、有料プランに登録するなど事前の準備が必要となります。
またZoomはセキュリティに関する問題がニュースとなり、企業によっては使用が制限されている場合がありますが、対策は進んでいるようです。どのツールであっても、インターネット上で情報をやり取りするのですから、セキュリティ意識は高く持つことは大事です。
Google Meetは、Googleハングアウトが進化し、無料のビデオ会議を提供するサービスとして新たに立ち上げられたものです。会議の主催者が会議に参加できるユーザーを制限できるなどセキュリティ性も高くなっています。
画面共有も簡単で、自身のパソコン上のブラウザやPowerPointなどを利用したプレゼンテーションも可能です。まだ新しいサービスですが、今後の主流になるのではと思わせるほど、使い勝手とアクセス性は高いツールです。
・ビジネスツールを使ったオンライン会議もある
ビジネスチャット呼ばれる、グループコミュニケーションを可能にするツールがあります。代表的なものはChatwork(チャットワーク)、Slack(スラック)、Microsoft Teams(マイクロソフトチームス)、LINE WORKS(ラインワークス)などですが、これらのツールのビデオ通話機能を使ったオンライン会議があります。
チャットを基本としながらも、情報やファイルの共有や更新が簡単に行えるため、企業内やグループでの導入が増え、今後はビジネスコミュニケーションに必須のツールとなってくるでしょう。
しかしフリーライターのような外部のゲストを迎えてのインタビューを行うには多少使いづらい部分があります。外部ゲストを招いてオンライン会議が開催できるツールもありますが、取材相手となる企業内のコンプライアンス規定などにより、これらのグループツールへのアクセスが制限されていることが多いためです。
しかし今後、ツール内でのセキュリティが確立されれば、外部からの参加者を招いての会議が普通になるかもしれません。またプロジェクトによれば、ツールを使ってファイルのやり取りが行われる可能性も十分にあります。各種ツールの特徴などは捉えておいた方がよいでしょう。
オンライン取材においては、取材を行うフリーライターなどがツールを選べる立場ではないのが普通です。クライアントや、インタビューを設定する編集サイドが望むサービスを利用することになります。すべてのサービスのアカウントを取っておく必要はありませんが、どのツールを使っても対応できるように、特徴だけでも理解しておくべきでしょう。
オンライン会議システムやグループツールは日々進化し、サービス内容も変化しています。情報のアップデートも怠らないようにしましょう。
【INDEX】
Part 01(準備編)パソコンのカメラはどこにある?
Part 02(準備編)パソコンのマイクはどこにある?
Part 03(準備編)オンライン会議のツールを試してみる。
Part 04(準備編)実は大切なカメラの位置と画角。
Part 05(実践編)オンライン会議の進め方。
Part 06(実践編)オンライン取材・インタビューの進め方。
Part 07(実践編)オンライン取材・インタビューの録音方法。
Part 08(実践編)オンライン取材・インタビューのテクニック。
Part 09(まとめ)これからはオンライン取材・会議が主流に?
Part 10(おまけ)オンライン飲み会