12月21日に「国立競技場 FIRST WALK」というイベントに参加してきた。数日前の報道陣向け開放イベントに続き、こちらは一般人もスタンドに入れるものだけど、同日夜の盛大なイベントとは別物。
一般人といっても誰でも入れるわけではなくて、2014年5月31日の「SAYONARA国立競技場FINAL “FOR THE FUTURE”」に参加して、なおかつ日本スポーツ振興センターのメールマガジン「FOR THE FUTURE TICKET【新国立競技場への未来チケット】に登録し、5年以上も完成を待っていた人に限る。
きちんと確認したわけではないけれど、ちらりTwitterで見た情報によると12,000名くらいが登録しているとのこと。5年前のイベントは4万人以上いたと思うから、3分の1程度か。
建て替え前の国立競技場、大好きだった。屋根はないし座席は狭いしトイレは古くて、満員になるイベントでは決して快適ではなかったけれど、そのロケーションと雰囲気、1964年の東京五輪から続く日本のスポーツ界を象徴するスタジアムとしての存在感は半端ない。聖火台下から見る夕焼けは最高に美しかった。
今回、建て替えは仕方なかったと思う。2011年の震災であちこち壁やらなんやらが剥がれ落ちた姿を見ると、改修だけでは無理と感じた。国立だけではなく、等々力陸上競技場とかもかなりダメージを受けていたから。関東圏の古いスタジアムは全部建て替えかな、って。
その建て替え案ですったもんだして、なんだ結局想定以上のカネかかるじゃないか、とかいろいろあった。でも自分としてはどちらでも良かった。ザハ案のスタジアムが建ったら、それはすごかったと思うけれど…。外苑前から日本青年館と神宮球場の間を抜けた先、新宿区霞ヶ丘町にあることに意味がある。
朝9時に青山門に到着。ゲートを入ると勝利の女神像と野見宿禰像が迎えてくれた。嬉しい。建て替えの時にこれらの像を含む文化財の保存が、予算的に難しいっていう話があったから。これらがないと国立競技場じゃない。
そして入り口にはQRコードを読み取る機械が。これからのスタジアムは、これが普通になるのだろう。便利。でもチケットが発券されるものはまだいいけれど、スマホの中で終わってしまうので、記念のチケットなくて少し寂しい。
話題のスタンドへ。話題というのは「観にくい」という話。数日前の報道陣向けの内覧会で出回った画像が、試合の観づらさを示していたから。確かに1階席は低い、ピッチは遠い。サッカーなら選手は本当に小さくしか観えないかもしれない。
でもこれには異論あり。だいたい、6万人以上入るスタジアムで観やすいスタジアムなんてあるかと。それも陸上競技のトラックがあるスタジアムでだ。感覚的には、日産スタジアムよりはぜんぜん観やすい。
この日は1階席しか開放されていなかったけれど、2階席ならそこそこ観やすいんじゃないかと思う。スタンドはコンパクトに上方にせり上がっているので、距離としてはさほど遠くならないはず。だいたい、ピッチサイドに何も設置されていない、がらんどうのスタジアムは広く感じるものよ。
このスタジアム好きになるかもと感じたのは、木のぬくもりではなく、何となく以前のスタジアムの面影があったから。少し広げたとしてもほぼ同じ敷地に、収容人数でいえば建て替え前の48,000名から62,000名に増やしている。もっと大きくなるかと思っていたら割とコンパクト。これはかなり評価高い。席に肘掛けとドリンクホルダー付いたし。細くて太めのペットボトルは入らないけど(笑)
このスタジアムでこれから何試合観るのだろう。いろんなイベントもやると思うから、今から楽しみだ。五輪チケットはまったく当たらないし、天皇杯決勝チケットも取れなかったけど!